9月2日(日)7時37分安岐自宅を出発。
杵築駅までは娘に送ってもらった。
杵築駅は城下町杵築をイメージさせる日本家屋風な
作り。以前は、ここから国東町まで大分交通の軽便
鉄道が走っていたが、昭和34年頃の大水害で数カ
所の鉄橋が流され、再起不能の廃線となった。
3番ホームで博多発大分行きのソニック1号を待っ
ていたら貨物列車が入って来た。珍しく、車台のみ
の車列が見られる。覗き込むと、レールで磨かれた
ピカピカの車輪が見える。車輪には、石でもひいた
のか大くくぼんだ傷があった。 |
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それにしても、これだけ大きい傷でこのまま走って
も支障は無いのだろうかと心配になる。
8時19分ソニック1号大分行きに乗る。運賃は、
2,690円。定刻に杵築駅を発車。乗客はほとん
ど無く、2号車は先客2人と私だけ。JR九州も大
変だろうな?なんて余計な事を思う。
空は、薄雲が広がって直接お天道様は見えないが、
暑い夏の空気がすでに広がっている。
大神、日出、亀川と電車は豊かな緑の田園風景と別
府湾の海を車窓に流しながら別府へと向かう。 |
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8時35分別府到着。ここで宮崎空港行きの「にち
りん」へ乗り換える。
もらった行程表にはそんなことは書いてなかった。
とにかく別府でおりるが、「にちりん」の乗車ホー
ムが福岡方面の3番線?理解出来ずに駅員に尋ねる
と、やはり3番線とのこと・・・なしか?
カラフルな「にちりん」に乗って車窓を見ると、鶴
見山が雲に隠されている。
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話変わるが、赤字のJR九州は快適すぎる冷房。乗
客は私一人。
しばらくすると女性が一人乗り込んできた。
なんか妙な臭いが?ふと頭を持ち上げてキョロキョ
ロ見渡せば、女性の頭から煙が立ち上っている。
そうか、まだ喫煙車が存在するんだ。急いで隣の2
号車へ移動した。
2号車に居場所を決めたが、アナウンスで車内販売
の無いことを知り、ホームの自動販売機で飲み物を
買い込んだ。
やがて派手な色のL特急にちりん宮崎空港行きが3
両編成で別府駅を発車した。時間は8時50分。 |
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別府湾の素晴らしい眺めが車窓に流れていく。
朝から良い景色を眺めて気分がいい。
9時1分に大分駅到着。大分駅周辺は高架工事が進
められている。駅の南北がJRのレールによって寸
断されていたがもうじきこれが解消される。
高校の3年間駅裏の上野が丘に下宿していたが、駅
の裏から表に行くのは結構大変だった。
私の下宿先がJR関係だったので、駅の通行証を良
くお借りして駅を通って行き来した。
そんなことを考えながら、向かいのホームに目をや
ると、「指差呼称 左よし 右よし」を見つけて
カメラに収める。
なんだか妙に人間くささを感じた。 |
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その手前にはレールが2本あって、そのレールが枕
木に乗っている。枕木とレールは犬釘でしっかり固
定されている。うんっ犬釘?なんで犬釘?帰ったら
調べよう。
ホームには久大線の電車が入線してきた。おりてく
るお客は圧倒的に女性が多い。華やかな装いの若い
女性が増えたが男は何時の時代も華やかさとは無縁
のようだ。
8分程停車したにちりんが発車した。真っ赤な1両
の宮地行きを追い抜いて軽快に走る。
乙津川鉄橋、大野川を越えて鶴崎を過ぎて、10時
10分佐伯駅に到着した。
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快適な電車から出ると残暑が厳しい。熱風がよど
んでまとわりついてくる。
タクシーに乗り込んで、宿毛フェリー乗り場までを
告げる。
狭い商店街の中をすり抜けて、5分ほどで宿毛フェ
リー乗り場へ到着した。
乗船券を買う。乗船便名、乗船日と時間他住所氏名
等の必要事項を書いて料金と共に窓口へ出すと乗船
券が渡される。
2等船室で2000円。これで乗船準備は整ったが
出船は11時だからまだ1時間近くの時間がある。
待合室は大気解放の自然温度状態。暑い! |
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腰掛けたり立ったり・・・やがてアナウンスが流れ
て乗船を案内された。時間は10時30分。結構は
やく乗せてくれるんだ。
やれやれ、フェリーだから車を乗せる大きな開口部
から歩いて船内へと乗っていく。車では時折利用す
るが、歩いてのフェリー乗船は始めての体験であっ
た。
船内は結構狭い。2等船室へと進み、自分の居場所
を決めて座り込む。進行方向左側の窓脇に決めた。
客はまばら。しばらくすると、賑やかな子連れの母
親と爺ちゃん婆ちゃんご一行様が同じ仕切に上がり
込んできた。嫌な予感。母親の顔を見た途端そんな
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心配がよぎった。まあまあの美形でバッチリクッキ
リのメリハリある化粧。偏見かもしれないが、この
手の母親が連れている子供は好き放題の自由気の向
くままに育てられている事が多い。
早々にどたばたギャーギャーが始まるが、母親は携
帯電話と睨めっこで一言も言葉は発しない。爺さん
婆さんも知らん顔。爺さん婆さんは、見かけ明らか
に私より若い。40代後半から50代やっとだろう
?。娘をどう育てたのか?なんて、余計な事を考え
る。
しかしながら、世は少子が心配される時代。今後
の日本を私達の老後を支えていただくであろうこ
の子らを暖かく見守ろう・・
なんて自分に言い聞かせて狸寝入りを決め込む。 |
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狸寝入りは疲れる。やや揺れが大きくなって、気分
が良くない。甲板に出て海風に当たろうと上ってい
く。外の日差しは強いが風は気持いい。
真っ青な海と空と浮かぶ島。気分は爽快になる。
小さな島が現れては消えていく。木の葉のような小
さな漁船が漁をしているのだろうか、あちこちに浮
かんでいる。
14時丁度宿毛港に着岸した。乗船時と同様、車の
出入りする大きなゲートから下船する。大きな鉄の
扉の前に立って扉が開くのを待つ。
見上げると、扉のロックが開放されて徐々に扉が前
方に開いて行くと、そこには宿毛の青空が眩しく広
がっていた。 |
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ガタガタと洗濯板の上のような下船道をキャリー
バックを引きずって歩く。タクシーを探すが見あた
らない。
下船する車を誘導する係員に尋ねると、目の前だと
いう。しばらく強い日差しに薄い頭を照らされなが
ら立っているとタクシーが現れた。早速くろしお鉄
道の宿毛まで運んでもらう。時間は10分くらいだ
った。
そう言えば腹が減っている。11時に乗船して、
14時に下船。 船の中では食事にありつけなかっ
た。是非とも弁当を持参してフェリーに乗船する事
をお勧めします。 |
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宿毛駅到着14時15分。駅前にうどん寿司のレス
トラン(チェーン店)があるが次の電車までの時間
からするとバツ。弁当を買うにも、好みのものが無
い。中村に着いたら何か軽いものでもと思い食事は
あきらめた。
駅前に目をやるとベスト電器がある。デジカメの画
像吸い上げ用にカードリーダーを買いに行く。 |
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さて、初のくろしお鉄道である。一度乗りたいと思
いながら、たいがい車移動なので乗る機会が無かっ
た。
このくろしお鉄道は、高知から宿毛までを走ってい
る。数年前に(一昨年だったかな?・・)この駅の
車止めに乗り上げて大きな事故となった事が記憶に
ある。 |
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早速切符を買う。券売機で中村まで610円。
14時34分くろしお鉄道の電車は出発し、この電
車の終点である中村駅を目指して走り始めた。
車窓を楽しもうと前の方の窓側に腰掛けた。
対面席だから、少し体をよじって窓の外の景色を目
で追う。この間僅か数分でトンネルの闇へと電車は
入り、しばらくながいトンネルの中を走ることにな
った。
車窓には四国の山々と山の谷間を流れ下る清流と田
んぼの景観が通り過ぎていく。 |
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くろしお鉄道の運転席近くに車両のプレートを見つ
けた。昭和63年新潟鉄鋼とあった。
車内は日曜日とあって、若者が比較的多い。高校生
くらいだろうか、仲良し数人組で楽しそうにおしゃ
べりをしている。
遊びの話が時々成績の話になったりする。遊んでい
ても勉強も気になるまじめな青年達。がんばれよ!
・・・そうエールを送りたい。 |
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15時04分中村駅着。・・・暑い!
駅周辺を見渡すが、食事が出来そうな店は見あたら
ない。駅に戻って売店で饅頭を買って空腹を少しご
まかす。
ホテルへそのまま向かう。
ホテルは、ニューロイヤルホテル。Tさんの紹介で
WEBから予約した。外観はまあまあ。中身もまあ
まあ。・・の様である。
チェックイン後一休みして・・・そう思ってベッド
に寝ころんでいたら6時半になっていた。少々気分
が悪いのでフロントで薬屋を聞き近くのアーケード
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街まで出かける。時間は7時僅か過ぎだが人影もま
ばらで店の殆どが閉まっていた。勿論薬屋さんも閉
まっていました。アーケードを出てあちこち歩くが
店は無し・・・食事でもと思いながらさらに歩くが
飲み屋はあれど飯屋無しである。
上戸なら、ホテルの前の通りに「いごっそ」という
マグロを食べさせてくれる店があります。アーケー
ド街の入り口付近にも結構小綺麗な小料理屋があり
ました。こんな時下戸は難儀ですね。
ホテルへ戻って、ホテルのレストランでヤケのヤン
パチで四万十うなぎを注文する。ウエイター曰く
30分ちょっと時間がかかりますがよろしいですか
?・・勿論いいさ。たかが30分・・・そう思いな
がら、これから裂いて焼くのかな?もしかして本当 |
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の四万十産うなぎ?なんて想像を膨らませる。もし
本物の四万十川育ちのウナギであっても、私の味覚
でそれがわかるか?たぶん、間違いなく、分かない
だろう。そうこう考えている間に30分が過ぎたの
だろうか、ウナギが運ばれてきた。うっ・・色が薄
い。小さい。
そう思いながら口へ運んだウナギの味は、甘すぎる
たれの味ばかりでウナギの旨さも不味さも伝わって
来ない。ははは・・・・これが四万十のウナギか・
・・余計なことは考えずに空きっ腹にウナギとご飯
を放り込んで美味しい水で甘い口の中を濯いでごち
そうさま。
後は、大浴場にゆったり浸かって今日の汗と疲れを
流そう。 |
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